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やまなみ12月号 |
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| 補習校を去るにあたってのご挨拶 理事長 田中 勉 | |
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田中 勉 理事長
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本年12月末をもって日本に帰国いたします。3年余の駐在で、補習校の理事は昨年から2年間勤めさせて戴きました。年初に設立の趣旨、基本理念に基づいて補習校の現状と課題を検討しました。昨年からの検討課題として低学年の授業延長を取り上げました。昨年のアンケートでは低学年の保護者の過半数は授業延長を希望しており、その希望にどう答えるかが我々の使命でした。近々理事会の意見を皆様にお届け致します。 建学の趣旨は学齢期の子供達が日本に帰ることを前提に日本語による教育を行うということが基本。母語としての日本語をしっかり身につけさせる事がやはり最優先タスクであると思います。教養としての日本語とかESLの日本語版ではない筈です。こうした意味で低学年の日本語教育は極めて重要です。幼稚部を設けている補習校があるのも、こうした狙いがあるのだと推察できます。低学年の授業延長もこの点を考慮して考えて行くべきだと思います。 又、日本人としてのアイデンテティの形成を助け、支えていくことも大切な役割のひとつです。日本の子供同士が交わって、感情を伝える言葉・日本語を思う存分使って発散する、日本の習慣を覚えたり維持したりする。これも補習校の担う役割です。 週1回の授業でこれらのタスクをこなすのは容易ではありません。先生方、保護者の皆様がお互いに協力しあってこそ成し遂げられることだと思います。日本は既にゆとり教育、土曜完全休日となっていますが、現地校で週5回の授業を受けた後の土曜日に毎週出てくる子供達は大変です。健気に頑張っている子供達を心から声援してやりたいと思います。 我々日本人は農耕民族、島国日本が営々と築いてきた道は勤勉の哲学がバック・ボーンになっています。身近に到達すべきモデル・目標が常にあって営々と改良を加えて今日の富を築いてきました。我々日本人が勤勉を忘れて未来はないと思います。時代閉塞、停滞感の漂う日本で田中耕一さんがノーベル賞を受けました。バブルで全員が浮かれていただけではなく、営々と、地道に己が道を究めていた人がいた証として誠に喜ばしい事です。 一方狩猟民族の末裔のアメリカ合衆国は移民国家、次々と新しい移民がやってきます。カリフォルニアでは非白人が50%を超えています。新しい移民を戦力にするための工夫システムが社会として出来ています。ESLはそのひとつです。アジア人の顔をしていても容赦ない。お客さん扱いをしてくれない。新しい移民-近くはシリコンバレーの技術者移民-を次々に戦力化して拡大する、未来を先取りした地域。碌に言葉もわからない子供達が毎日異文化と格闘する。言語だけでなく多民族国家の懐の深さ、競争の激しさが直に伝わってくる貴重な経験です。大変なことです。然しながら周囲の大人たちが慎重に適切に其々の才能を見つけ出し伸ばしてやれば、日本に帰ってこの子供達が大人になった時、新しい日本の素晴らしい担い手になってくれるのではないかと期待しています。 明日の日本の担い手である子供達が、明るく逞しく頑張っていけるような環境作りを常に考えながら理事会がこれからも運営されるよう期待し、結びの言葉とさせて戴きます。有り難うございました。
2002年12月 |
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