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やまなみ2月号

子ども達の輝きを引き出すために
        〜本年度の反省,次年度の展望〜
        校長 堀井 重樹

 

堀井重樹校長
平成14年4月から文部科学省より本校へ派遣。大阪府教育委員会所属。

 


 カリフォルニアの大地は実に豊壌です。ふくよかで黒々とした農地が広がっています。味とコクのある食物がこの大地から大量に生み出されることを思えば納得も出来ます。
 しかしその下を,厚い岩盤の層をなす大褶曲山脈が走っているとは,coastやshoreを走り断崖や切り通しを見ぬ限り想像すら出来ません。表層部の豊かさは別世界のようです。
 合理主義をもってなすアメリカの意外な面と見事さを思うばかりです。
 この時期カリフォルニアの農地にはオキザリスや菜の花が一面に広がっています。意外な面というのは,化学肥料を極力抑え,緑肥や有機肥料によるorganic農法を至るところで見かけることです。生命を育む豊かなる大地は,人工の薬ではダメなのでしょう。日本各地に,かっては何処にでも見られたレンゲ畑や菜の花のことを思いました。
 同時に,子ども達を育むとき,豊かな文化や土壌とは何なのかと考えてしまいます。
 1月の末に,文部科学省の方々がアメリカ教育事情視察の途中,本校のofficeに立ち寄られました。日本の教育改革の発信源である初等中等教育局教育課程課の大槻課長と中央教育審議会(中教審)のメンバーである東京理科大学の伊藤先生ご一行です。2時間ほどの懇談でしたが情報交換を行いました。私も日本を留守にして2年になりますが,この間の変わり様は目を見張るばかりです。帰国時,浦島太郎とならぬよう,日本の教育の動向をしっかりと見定めたいと思ってい
ます。補習校の教育も,そのまま日本の教育内容がすっぽりと重なるわけではありませんが,日本の教育の変わり様を出来うる限りお伝えし,取り込むべきところは取り込み,さらにその上に,本校の子ども達の実態を被せながら,少しでも教育の充実が図れたらと願っています。変化はそれぞれに不安と抵抗のあるものですが,「目の前の子ども達にとってどうなのか」ということが教育を考える上での原点ではないでしょうか。
 さて,本年度は以下の3点において大きく取り組みました。@時間がない中での一斉授業 A子ども達の歴然とした日本語力の差B借用校での学習等,自ずと限界のある教育活動ですが,日本語力の保持・維持をベースに,○基礎基本の定着 ○少しでも個に応じた授業展開を心がけてきました。

1.小学部の課題別学習
 
集中学習期間10日間の内,4日間を,国語科,時数にして1h×4日を充てました。自らが学習課題を見つめ直すことによって,学習意欲を高め,学力の定着を図ろうとするものです。学級の壁を取り外し,学習課題に沿い担当教師を替えることによって,少しでも複数の目で,子ども達を見つめることができ,それは取りも直さず課題解決を引き出すことにつながります。また授業者側の授業内容や指導法の改善の糸口にもなります。ティームティーチング等,たくさんの教師がクラスに入り込み,子ども達に関わることができれば一番良いのですが,現実はそうもいかず(教員の補充は授業料アップにつながる)苦肉の策として,学年集団で学習課題解決に当たりました。結果として@子ども達は授業に関心を示し,意欲的に取り組めたこと。A子ども達の集中力が高まったこと。B授業に新鮮味が増し,楽しかったこと。Cまた,習熟度別に分けた方が効果的ではないか?等の声も先生方より聞きました。
 本年度の取り組みは,「個に応じた授業」へのほんの入り口であります。今後は,課題別学習を膨らませ,日本語力による
習熟度別学習へ移行できたらと考えています。子ども達の学習実態,学校の指導体制を検討・整備しながら,一斉授業の中で埋没してしまっている子ども,学習に不完全燃焼している子ども達の笑顔を何とか引き出してあげたいと考えています。

2.小学部.低学年の4H試行
 
4H施行日には,多くの保護者の方々がボランティアとして応援に駆けつけてくださいました。改めてお礼申し上げます。おかげでスムーズに実施することができ,本格実施に向けての方向性も見えてまいりました。また,参加していただいた保護者の方々からご感想を頂き,学校側の反省を重ねて,次年度への取り組みの参考にさせていただきます。概ね感想をまとめますと,@4H授業は1.2年生に無理はない。A「活動の時間」の充実を図る必要がある。B昼食・昼休みは教師も加わり,コミュニケーションが相互に図れたことや学級単位で過ごせたことが良い。C昼食・昼休みの各クラスよりのボランティアは最低1名はお願いしたい。等々です。

 また,「活動の時間」の取り扱い内容は,概ね以下のことを柱に考えています。【活動の時間の主な柱】
  ○国語科の学習内容を補充・深化させる。
  ○道徳の内容にふれる。(心の教育)
  ○学年や学級をつくるための表現活動
  ○学級活動
尚,「年間学習指導計画」の詳細は4月にお知らせいたします。

3.海外子女教育研究協力校への取り組み(4校共通)
 
既に,『カリフォルニアの風』9月号でお知らせいたしましたが,平成15・16年度と「文部科学省海外子女教育研究協力校」の指定を受けました。個への対応を少しでも図るべく,本校のめざす学校像の一つである「個が光る学び舎」をテーマに,「教育相談活動の充実」を研究・実践するものです。研究推進の柱として@児童・生徒に対する心のケアの推進 A教職員に対する児童・生徒の様態の捉え方及びその対応に関する研修の推進 B保護者と子どもの心のケアに関する学校との連携の推進をあげています。具体的には,○保護者向け教育講演会(9/20,12/6→小SF,SJで実施) ○専門家を招請しての教員研修会,すでに3校実施済み(中高部生の心の問題◇12/6中高SF・1/17中高SJ,小学部児童の持つ心の問題◇1/24小SJ・2/28小SF予定)
 今後は,保護者の方々の相談活動に資するべく準備を進めてまいります。

 以上,本年度の教育活動を振り返り,次年度への展望を述べました。今後ともよろしくご支援をお願いいたします。

 2004年2月

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