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やまなみ3月号 |
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| 「羽音する頃」 校長 堀井 重樹 | |
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堀井重樹校長
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ベイエリアの山なみが萌える頃、内海や湖沼に集う鳥達のさえずりがひときわ高くなる。さえずりは渡り去る前によく聞かれると言うから、出立の日は近いのかも知れない。カナダ北岸か、アリューシャンに至る北方の島々か、そのまた果ては知る由もないが、無事渡りを終え来年も温暖な地であるカリフォルニアに戻ってきてほしい。「Birds of Northern California」によれば、雁や鴨など水鳥たちの渡りは三月中旬頃とある。 三月中旬(3月15日)は、本校の卒業生188名の巣立ちの日でもある。(小学部122名,中学部56名,高等部10名)ベイエリアに宿る鳥達が見事な色合いを具え、今、大きく渡りを始めるように、志を温めながら力を蓄え、夢かなう道を進んでほしいと思う。 卒業生の年頃は、昔で言えば元服.裳着の頃にあたる。大人への仲間入りをする年頃である。男子は前髪を剃り落とし大人の髪を結い、女子は服装を変え成人への決意を述べ志を立てたという。その伝統が地方芸能や祭り、学校の文化の中にも僅かながら残り、立志式を伝統行事として行う学校も以前は見かけられた。 洋の東西を問わず、歴史上に名を成した先達の立志の頃が、日本で言う元服.裳着の頃と符合するのは決して偶然ではない。多感な青少年期こそ、人生を歩く上での大きな分岐点なのだ。私達はそっと後ろで、温かく厳しく見守り続けたいと思う。 大きな夕焼けを背に、庭先の木にヒタキ(hammond’s flycatcher)とカケス(jays)がやって来た。留まるカケスも渡りを見せるヒタキも、凛とした精悍な様と個性ともいえる見事な色調が夕日に染まず際立っていた。自然の中で生きる姿は美しさでもある。 2003年3月 |
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