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やまなみ2月号

『補習校の教育を考える@』      校長 堀井 重樹

 

堀井重樹校長
平成14年4月から文部科学省より本校へ派遣。
大阪府教育委員会所属。

 

 

(その1)子どもたち

 廊下を歩いていて、子どもと目線が会った時に、美しい笑顔と言葉が返って来ることがあります。
「校長先生、おはようございます。」
「・・・・・・・・・・・・」
「はい。ありがとうございます。」
あまりにも丁寧な言葉遣いとマナーに、ただ驚き、自分の使っている関西なまりの日本語が恥ずかしくなりました。話し込むうちに、子どもの言葉の端々から、お母さんの日本への愛着と郷愁、わが子に何とか「日本」を伝えたいと言う思い、同時にお父さん(アメリカの方)の家族への大きな愛や支えが感じられてじーんと胸の熱くなる思いでした。アメリカに生まれ育ったA君は、大きくなったら日本に帰り、日本の地で働くと言う。将来の夢を語る言葉の中に、彼の強い意志が感じられて、感動をもらった数分の立ち話でした。

  昼食時、子ども達とお弁当を食べながら補習校の中のアメリカを少し感じました。全てに言える事ではありませんが、食事時のお菓子類の持込の多さ、ゴミの出し方、その量。仕事の分業が進み、それぞれに持ち場があるにせよ、自分達の出したゴミ、出す前に散乱していた目の前のゴミは、無意識のうちに片付けてしまうのが日本人の清掃観念でした。それは美意識であるし、日本の文化だと言っても過言ではありません。そのようなものがこのアメリカと言う国の中で薄れて来ているのではないか?傍らで黙々とゴミ拾いをするボランティアの方々が痛々しく、申し訳のない思いでいました。私達は子ども達に何を教え、残すのか。補習校の教育活動の中にこそ、そのようなことが問われねばなりませし、家庭との連携は言うに及びません。

 ルールやマナー、学習時の姿勢や心構え等々、時代のはやり廃りはあるにせよ、礼儀は礼儀として、次代の子ども達に伝えたいものです。それは日本人が長い歴史の中で培ってきた美徳だし、日本の文化でもあるからです。


(その2)補習校は何をするところか?

 週1回の土曜日に、子ども達は一体何を求めて登校するのでしょうか? 教室や廊下、校庭で時折くたびれている子ども達を見るたびにそう思うのです。お父さんやお母さん達の募る思いは重々承知の上で、そんなことを感じています。

 日本語力の保持、学力の定着、日本人としてのidentityの形成等々、日本国内の子ども達より遥かに多い課題をカートに詰めてやって来るのですから。

 私達は、しっかりとそれを踏まえた上で、連携し、協力し、融合を図りながら、子ども達を励まし育まなければなりません。学校は、上滑りの教育に陥らぬよう、日々、反省と改善を加えながら教育を推進します。ご家庭では、子ども達のサポートをしっかりとお願いします。「遅刻してもよい。塾や催しのある時は途中で抜ければよい。いやになったらやめればいいじゃないか。」そんな安易な考えだけは持たないでください。補習校とはいえ学校だからです。ご両親の社会に対する見方、価値観は、そのまま子どもの社会観、価値観になるし、学校と家庭との考え方の大きなズレは子ども達を迷わせる元になるからです。いろいろと考え方の違いはあっても、基本的なことは一つでありたいと思っています。最近、日本国内では、学校と保護者の関係を「連携から融合に」という合言葉をもとに一体化が進んでいます。学校と家庭がちぐはぐに教育していては立ち行かないからです。

 今の青少年の抱える問題はそんなところまで来ているのです。

  

  子どもたちに 教えたいことは 

  これとこれとこれです。

 

  子どもたちに 伝えたいものは

  これとこれとこれです。

  学校は

  お父さんやお母さんたちに

  そんな話をしてみたいのです。

2003年2月

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